転職先選び−私の失敗談③−

施設が掲げている目標を理解してくれない部下との関係に悩んでいます

46歳/男性

利用者様の自立促進を目標にしている老人ホームに、管理職として転職しました。部下であるスタッフが熱心にさまざまな提案をしてくれるのですが、自立を妨げるものが多いため、現場には取り入れていません。
そんなことが続くうちに、部下から不満が増え、人間関係がギクシャクして…。自分は管理職の器ではなかったのかもと自信を失い、最近は転職も考えるようになりました。

アドバイス

介護の現場では、スタッフ同士の意見やめざす介護の違いから、人間関係が悪くなってしまうこともあるようです。
施設が目指す介護、スタッフがやりたい介護、さまざまな考え方や意見をまとめ、バランスをとりながら一つの方向に持っていくことは、上司であるあなたの役目。なかなかの難題です。
現状は、施設がめざす介護が、部下に伝わっていないのかもしれませんね。
スタッフの提案が、施設の理念に合っていないなら、現場に取れ入れることは難しいでしょう。

しかしその時、提案を取り入れない理由をしっかり伝えておかないと、スタッフはただ「上司が話を聞いてくれない」とだけ思ってしまいます。
なぜ取り入れることができないのか、施設がめざしているのはどんな介護なのか、スタッフに丁寧に説明することが大切です。
また、部下の提案をそのまま反映させるのが難しい場合は「ここだけ変更してやってみようか」など、提案を受け入れつつ施設の目標とする方向にもっていくのがおすすめです。
提案が多いということは、それだけやる気のある部下が多いという素晴らしいこと。しかし、「上司に話しても無駄だ」と思われてしまっては、スタッフのモチベーションも下がってしまうでしょう。

以下のようなことに取り組んではいかがでしょうか?

●ミーティングなどで、スタッフの意見を聞く場や方向性を確認する場を持つ
●スタッフの提案に積極的に耳を傾ける
●提案を受け入れられない場合は、スタッフが納得するまで説明する
●施設の理念とともに、なぜそのような理念を大事にしているのか、の背景を伝える、など

施設の理念をしっかり浸透させることができれば、現場のスタッフから、よりよい提案が出てくるかもしれません。
あなた自身も、スタッフから信頼される上司に近づけるでしょう。

今回の件で、あなたがすぐに転職を考えるのは、時期尚早だと思います。
部下との人間関係に悩んだことのない管理職はいません。真剣に部下と向き合っている上司だからこそ悩むのです。
この経験を糧に、管理職としての成長に結びつけてはいかがでしょうか。

 

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