老人ホーム入居までの5ステップ
老人ホームを探そうとしても、何から手を付けたら良いのか、見当が付かない人も多いはず。
そんな方のために、まずは老人ホームを選ぶときの流れをご紹介します。
以下の「基本の5ステップ」を参考に老人ホーム選びを進めていくことで、余計な手間を取らず、自分に合った老人ホームを選べます。
- 希望条件を整理する
- 「フローチャート」で自分に合った施設の種類を知る
- 老人ホームの情報を収集する
- 資料・パンフレットを取り寄せて比較する
- 見学・体験入居する
まずは、ステップ1の”希望条件を整理する”からみていきましょう!
1.希望条件を整理する
「どのような老人ホームを選べば良いのだろう」
そう思ったとき、最初にやるべきことは”希望条件を整理する”ことです。
希望条件には、以下のようなものがあります。
- 入居時・月額費用
- 立地条件
- 医療・リハビリ体制
- 介護サービスの提供有無
しかし、これらの条件を、すべての希望通りにかなえてくれる施設を見つけるのは難しいかもしれません。
そのため、特に譲れない条件や最も優先する条件、反対に妥協できる点を、家族で話し合っておくことがとても大切。
例えば、以下のように希望条件を整理することができます。
- 優先したい条件の例・・・夫婦二人で入居、ペットと入居、家族の自宅から30分圏内
- 妥協できる条件の例・・・都心から離れていても良い、終の住処でなくても良い
このように、家族の間で入念に話し合っておけば、より条件に合った施設が見つけやすくなります。
2.「フローチャート」で自分に合った施設の種類を知る
希望する条件が整理できたら、それに合った施設の種類を考えましょう。
とは言うものの、施設の種類が多すぎて、「希望の条件に合っている施設がどれなのか全然わからない」という方も多いですよね。
参考までに、フローチャートにまとめてみました。
※このフローチャートはあくまで参考です。実際に検討する際にはケアマネジャーなどにご相談ください。
「医療・介護サービスをどの程度必要としているか」から始め、質問に答えるだけで本人にあった施設がわかるのが、このフローチャートの特長。
老人ホームを選ぶときに「これが一番正しい」という決め方はありませんが、はじめて施設の種類を比較する方は、目安としてぜひこのフローチャートを使ってみてくださいね。
本人に合いそうな施設がわかったら、その施設についてもう少し詳しくみていきましょう。
それぞれの施設の概要については、下の表にまとめています。
名称 |
概要 |
生活支援サービス |
介護保険サービス |
前払い金 |
|
有料老人ホーム |
介護付き |
介護保険法で特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設。 |
あり |
施設が提供するサービスを利用 |
0円~1億円超 |
住宅型 |
食事などの生活支援サービスを提供する施設。 |
あり |
外部サービスを利用 |
||
サービス付き高齢者向け住宅 |
バリアフリー構造の住宅。外出や外泊が可能で自由度が高いのが特徴。 |
住宅による |
外部サービスを利用※特定施設入居者生活介護の場合は施設が提供するサービスを利用(外部サービス利用型を除く) |
敷金(賃料2~3ヵ月分) |
|
グループホーム |
要介護1(一部要支援2)以上の認知症の方が対象。9人が1グループで共同生活を送る。 |
あり |
施設が提供するサービスを利用 |
0円~20万円 |
|
ケアハウス |
入居者の収入に応じて低額で基本的な生活支援サービスを提供。 |
あり |
外部サービスを利用※特定施設入居者生活介護の場合は施設が提供するサービスを利用 |
0円~数百万円 |
|
特別養護老人ホーム |
要介護3以上が対象の介護保険施設。生活支援・介護サービスを提供する住まい。 |
あり |
施設が提供するサービスを利用 |
不要 |
|
介護老人保健施設 |
要介護1以上が対象の介護保険施設。自宅と病院の中間的な位置づけで、介護・看護・リハビリが受けられる。 |
あり |
施設が提供するサービスを利用 |
不要 |
|
介護医療院 |
要介護1以上が対象の介護保険施設。医療・生活・看取り体制が特徴。 |
あり |
施設が提供するサービスを利用 |
不要 |
|
介護療養型医療施設 |
要介護1以上が対象の介護保険施設。手厚い医療・リハビリ体制が特徴。 |
あり |
施設が提供するサービスを利用 |
不要 |
資料・パンフレットを取り寄せて比較する
どんな老人ホームがあるのかという情報を集めたら、その中で気になる老人ホームについて、具体的な情報が載っているパンフレットを取り寄せましょう。
パンフレットには以下のような情報が掲載されています。
- 施設の特長
- 運営方針
- 交通アクセス
- 住所
- 見学予約の際の連絡先
- 館内の写真
- 居室数や面積
- 共有設備
- 居室設備
- 開設年月日
- 提供するサービス内容
写真を豊富に掲載しているパンフレットなら、事前に老人ホームの雰囲気を知ることができますよ。
複数の老人ホームで迷ったときには、パンフレットがあると、ご自身が決めた条件にあっているか、プラスアルファのメリットは何か、などが比較しやすいので便利です。
このようにパンフレットから得られる情報はとても多いですが、パンフレットを見る際にはあらかじめ、以下の2点に注意しておかなければなりません。
- パンフレットはあくまでも「広告」であるということ
- パンフレットに掲載されている情報がすべてではない
パンフレットは入居希望者向けに作られているもののため、当然ながら、「入居したい」と思ってもらえるように魅力的に情報を掲載しています。
それ自体は悪いことではありませんが、その情報をそのまま鵜呑みにしてしまうと、入居後に「想像と違った・・・」ということになりかねません。
あくまでもパンフレットに書かれていることは参考程度に考え、実際に足を運んでみたときに感じた印象を大切にしましょう。
見学・体験入居する
資料やパンフレットを見て「良いな」と思っても、実際に入居するとイメージと違うことがあります。
そのため、入居前には必ず見学予約をして、ご自身の目で施設を見てください。
また、できれば複数日にわたって体験入居することをおすすめします。
介護の充実度や食事の内容、レクリエーションの内容、施設スタッフや施設長の人柄なども見ることができるため、なるべく複数の施設の見学・体験入居をすると良いでしょう。