身近にある介護
2020.6.1
『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』
◆Movie Infomation◆
■作品名:マリーゴールド・ホテルで会いましょう
■販売元: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
■原題:The Best Exotic Marigold Hotel
■製作年:2011年
■発売日: 2014年2月5日
■製作国:イギリス/アメリカ/アラブ首長国連邦
■配給:20世紀フォックス
■上映時間:124分
■監督:ジョン・マッデン
■脚本:オル・パーカー
■キャスト: ジュディ・デンチ、ビル・ナイ、トム・ウィルキンソン、マギー・スミス
高齢化社会で余生をどう生きるか
老境に入った男女7人の英国人たちが、様々な事情を抱えながら、リゾートホテルで余生を過ごそうとインドのジャイプールへやってくる。ところが飛行機は途中で欠航、バスを乗り継ぎようやく到着したホテルは、パンフレットで見たコロニアル風の豪華ホテルとはまるで違ったホテルだった! 果たして7人はこの異国の地で、どんな余生を過ごすことになるのだろうか?
笑いと感動に包まれて、観終わったあとはハッピーな気分になれるこの映画の監督は、アカデミー賞(R)7部門受賞作『恋におちたシェイクスピア』を手がけたジョン・マッデン。同作品でアカデミー賞助演女優賞を獲得したジュディ・リンチが、借金を残した夫に先立たれた未亡人を好演している。
この映画に登場する「老いてなお盛ん」であろうとする人々の姿は、日本でも最近多い「高齢者住宅」で生活をする自立型の人々のお世話をする際、非常に参考になると思われる。とくに、人工股関節手術のためにインドへ来た人種差別主義者のミュリエル(マギー・スミス)と、ホテルの若いオーナーやメイドの交流は興味深い。映画の舞台は異文化の地という特殊な状況ではあるが、戸惑いながらも新たな自分、そして生きがいやパートナーをみつけようとする姿は、住み慣れた家を離れ新たな人生を、高齢者住宅や老人ホームでスタートする人々に重なる。そこには一人ひとりにさまざまな事情や思いがあるということを、もう一度思い出させてくれる。
<中条>
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